二晩続けて、母親が死ぬ夢を見た。
夢の中で彼女は、どうやら大腸ガンだったらしいのだが、告知されないまま死んでしまった。 僕はなぜか「大リーガー養成ギプス」を着けて、彼女の最期を看取っていた。 なんだか不安になったので、久しぶりに母親に電話をしてみた。 彼女はこの前に会った時と同じように元気そうだった。 さすがに、「お母さんが死ぬ夢を立て続けに見たから」とは言えずに、「最近お腹が痛くなったりしない?」と、僕は遠まわしに尋ねてみたのだが、別になんとも無いようだった。
それよりも、唐突に電話をかけてきた息子に対して、「何か辛いことでもあったのではないかしら?」と心配している様子だった。 普段は連絡を取っていないので、たまに電話をすると、これだからいけない。 仕事のことや、朝の食事のことなど、根掘り葉掘り尋ねられた。
なんだか話が長くなりそうになったので、話題を家族の近況に代えてみた。 ホストをしている弟は、最近あまり家に帰っていないらしい。 でも母親はあまり気にしていないようだった。 まぁ、もう23歳になるのだから、彼も色々あるのだろう。
「お盆の頃には帰るから」と約束して電話を切ったのだが、話の途中から早く電話を切りたくてしょうがなかった。 親と電話をしているといつも、自分が親不孝に思えてしょうがないのだ。 普段親のことなど100%忘れて生活しているからだろう。 まあ、それでも、みんな元気そうで何よりだった。
playback いちょう、ひらり。 2000.06.23