今日も仕事に行きました。 ええ。ちゃんと朝7:30に池袋の事務所に着きましたとも。 今日の現場は埼玉の菖蒲高校でした。 仕事の内容はというと、なんとトイレ掃除でした。 そうです。僕は今日もまた、マニアックな技術を一つ手に入れました。 便器がこんなに綺麗になるなんて、さすがプロのテクニックだ。 今度あなたのトイレを掃除させてください。
でも、うちはガラス屋じゃなかったのか? どうなんだ? 一昨日なんて製鉄工場の塵粉清掃をしたんです。 全然関係ないじゃない。ガラスと。床とも関係ない。 不快だ。 いくら仕事がないからって、そんな仕事とってこなくてもいいじゃないか。
高校のトイレは果てしなく汚かった。 4人で120個の便器を磨きました。 一人あたま30個の便器。 何時間も便器を磨いていると、便器が便器に見えなくなってくる。 僕に磨かれるためだけに存在している白い陶器。 軽石と硬いスポンジと紙やすりによって美しく輝き出す。 できれば僕が磨いた白い陶器に用を足すなんてことはしないで欲しい。 これは芸術品なんだ。 僕は便器を磨くために生きてるんじゃない。 それは確かだ。
今の会社を辞めてもいい。と本気で思った。 でもまだロープで屋上からぶら下がってビルの窓の外側を拭いていないので、辞めるわけにはいかないのだ。 社長、ガラスを磨かせてください。お願いです。 僕はガラスを磨くために生まれてきたんです。 ああ。
playback いちょう、ひらり。 2000.03.11