髪結い

さて。

髪を切るのは大っ嫌いなのですが、とうとう観念して髪を切りに行ってきました。 このまま本当にヒッピーのような容貌になってもよかったのだろうけれど、70年代は遥か昔のこととなり、僕が髪をぼさぼさに伸ばそうが世界は平和になりそうもないので、あきらめて髪を切りました。

なぜ僕は髪を切るのが嫌いなのでしょう? とにかく嫌いなのです。 髪型なんて知ったこっちゃないのです。 なのに「今日はどんな感じにしますか?」と訊かれても困ってしまうのです。 いつも同じような髪型にしていればこんなに困らないのだろうけど、僕の髪型は伸びるのにまかせて変わっていくので、どうしようもありません。

髪を切り終わる頃、「失礼ですがお幾つですか?年齢は」と訊かれました。 彼によると、僕は何歳にでも見える、とのことです。 20歳から29歳まで。 そういえばそんな「何やってんのかわかんない人」を時々街中で見かけるけれど、僕もそんな人達の仲間入りをしてしまったのだなぁと思うと、感慨深いものがありました。 そう言えば僕の周りにも「何やってんのかわかんない人」は多いような気がします。 でも僕は自分が何をしているのか分かっているつもりなので、そんなに心配しないでください。 あなたにもいつか分かります。 それでは。

playback  いちょう、ひらり。 2000.04.30

ロープとブランコ

ガラス拭きの仕事で、待ちに待った高所ロープ作業をしました。

まず、ビルの屋上から登山用の80メートルのロープを一本垂らし、一番上にブランコの板のワイヤーをロープに巻きつけます。次に、ビルの屋上の縁からそのブランコに移り、壁を磨きながら少しずつ降りていくのです。
しかし、残念ながら、ロープ作業の印象はあまりいいものとは言えませんでした。 朝から風が強い上に、作業の途中から雨が強く降ってきて、ずぶぬれになりました。 雨に濡れるだけで、何だかとっても惨めな気持ちになってしまいます。

おまけにロープを使ってビルの壁をするすると降りている途中、金具とロープの間に、髪の毛が小指一本分くらい挟まれてしまい、同僚にカッターを取ってきてもらうまで10分程宙吊りになってしまいました。 雨と風にに打たれてますます惨めでした。

でもそれにもかかわらず、高いところにぶら下がっているのは、不謹慎なほど楽しかったです。 あまりニヤニヤしていると、社長に怒られそうだったので、こらえるのに一苦労でした。 一歩間違えたら落ちて死んでしまうのですものねぇ。 やっぱり遺書は書いておいたほうがいいなと思いました。

晴れて景色がよければよかったんだけれど。

playback  いちょう、ひらり。 2000.04.11