スターバックスと個人的趣味

スターバックスが嫌いだ。 全席禁煙だし、渋谷のハチ公口の店が象徴する、商業主義・宣伝主義的なところも嫌いだ。 食器を洗うための人件費をカットするために、陶器じゃなくてプラスチックの容器を使うのも嫌いだし、ホットコーヒーに蓋がついていて、それを付けたまま飲むスタイルも、コーヒーの香りが楽しめなくて嫌いだ。 「コーヒーの香りを楽しんで頂くため」に禁煙にしているのに、ホットコーヒーに蓋がついているのは、矛盾しているのではないだろうか。

それでも世はスターバックスブームみたいだ。 なんと言っても内装がお洒落だし、コーヒーやスムージーは甘い味付けだ。 最近流行りのエスプレッソも、ドトールよりは美味しい。 それは、「女性客のリピーターを捕まえれば儲かる」という飲食店の基本にのっとっている。

じゃあ、お前がスターバックスに行かなければいい。ということになるのだが、それにしても何だかやるせない。 「売ろう、儲かろう」と言って本当にその通りになっているのを見ると、日本の音楽シーンのヒットチャートを思い起こさせる。 そして僕はモーニング娘が嫌いだ。

ここまで書いておいて何なのだけれど、僕は今日も、神保町のスターバックスに行ってしまった。 あの甘い「カフェモカ」の虜になってしまったのだ。

今の世の中、「嫌い」だからと言ってそれを全部避けることはできない。

playback  いちょう、ひらり。 2000.06.18

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